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Temporada 2003
黒船来航から三年後の安政三年(1856年)。薩摩藩士の娘敬子(菅野美穂)は、藩主の命で将軍・家定(北村一輝)のために大奥に差し出された。相思相愛の若い藩士・東郷克顕(原田龍二)との仲を引き裂かれた敬子は、江戸に向かう日、自害を図ろうとするが克顕が止める。克顕は、「時代は変わる。救い出す日が来るまで生き延びて」と言った。
敬子は名前も御台所・篤子と改め、大奥の人となった
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黒船来航から三年後の安政三年(1856年)。薩摩藩士の娘敬子(菅野美穂)は、藩主の命で将軍・家定(北村一輝)のために大奥に差し出された。相思相愛の若い藩士・東郷克顕(原田龍二)との仲を引き裂かれた敬子は、江戸に向かう日、自害を図ろうとするが克顕が止める。克顕は、「時代は変わる。救い出す日が来るまで生き延びて」と言った。
敬子は名前も御台所・篤子と改め、大奥の人となった。そこは将軍の夫人、側室、世話する女中ら、将軍以外は女ばかり約千人もが暮らす江戸城内の別世界だ。万事を総取締の瀧山(浅野ゆう子)が仕切るが、起床ひとつ自由に出来ず、手洗いの中にまでお付きが入る。薩摩でのびのびと育った篤子には耐えられない日々だった。
将軍家定(北村一輝)の御台所となった篤子(菅野美穂)と、大奥総取締の瀧山(浅野ゆう子)が激しく対立するなかで、瀧山の篤子への復讐が始まった。
しかし、篤子が本当に苦痛なのは家定に抱かれることだった。寝所で篤子は、「寝間を辞退したい」と言う。驚く家定は、「情を通じた男がいるのか」と怒る。その会話が翌日には瀧山の耳に入る。瀧山は幕府の老中にこの話をし、「薩摩に篤子様と言い
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将軍家定(北村一輝)の御台所となった篤子(菅野美穂)と、大奥総取締の瀧山(浅野ゆう子)が激しく対立するなかで、瀧山の篤子への復讐が始まった。
しかし、篤子が本当に苦痛なのは家定に抱かれることだった。寝所で篤子は、「寝間を辞退したい」と言う。驚く家定は、「情を通じた男がいるのか」と怒る。その会話が翌日には瀧山の耳に入る。瀧山は幕府の老中にこの話をし、「薩摩に篤子様と言い交わした方がおいででは」と言う。ことは重大な政治問題に発展しかねない。
あわてた薩摩藩主・島津斉彬(本田博太郎)は、安産祈願の子宝石を将軍に献上する。石を家定と篤子の前に運ぶのは、篤子とたがいに慕う東郷克顕(原田龍二)だった。克顕に、「早く世継ぎを」と言われた篤子は動揺する。
瀧山が篤子の食事に粉薬をまぜている。やがて篤子は寝所で苦しみ・・・
将軍家定(北村一輝)の御台所篤子(菅野美穂)は、家定との夜伽のさなかに激しいひきつけを起こし、医者が呼ばれる。まる(池脇千鶴)は、篤子を憎む大奥総取締の瀧山(浅野ゆう子)が、食事に毒を入れたためだと思った。御典医の診察は、「立ちくらみで心配ない」と適当だった。まるは、良庵の助手を見て驚いた。大奥に入るまで親しかった真之介(岡田義徳)だった。まるが心配で、つてを頼って良庵
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将軍家定(北村一輝)の御台所篤子(菅野美穂)は、家定との夜伽のさなかに激しいひきつけを起こし、医者が呼ばれる。まる(池脇千鶴)は、篤子を憎む大奥総取締の瀧山(浅野ゆう子)が、食事に毒を入れたためだと思った。御典医の診察は、「立ちくらみで心配ない」と適当だった。まるは、良庵の助手を見て驚いた。大奥に入るまで親しかった真之介(岡田義徳)だった。まるが心配で、つてを頼って良庵の助手になったのだ。
幸い篤子は回復した。篤子は家定に、「食事の管理はまるにさせたい」と言う。まるは御膳所の食器棚に白い粉の紙包みを見つけた。篤子が御膳所に乗り込み仲居頭の葛岡(鷲尾真知子)を問い詰める。そこに瀧山が来た。「毒でないならば食して」と篤子が迫ると、瀧山は白い粉を飲み干した。
篤子が毒殺されそうになったとの噂は江戸の薩摩藩邸に伝わり、東郷克顕(原田龍二)は篤子を案じた。
将軍御台所の篤子(菅野美穂)を思う薩摩藩士の東郷克顕(原田龍二)が大奥に火を放ち、混乱のすきに篤子を救出しようとする。尊王攘夷の志士を弾圧する幕府への抗議の焼き討ちでもあるという。
篤子は、政治に利用されるのは嫌だし、女ばかりの場所に火を放ったこともおかしいと思った。克顕は、「おはんを救うためじゃ」と言うが素直について行けない。幕府の警備の武士が駆けつけ、克顕は去った
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将軍御台所の篤子(菅野美穂)を思う薩摩藩士の東郷克顕(原田龍二)が大奥に火を放ち、混乱のすきに篤子を救出しようとする。尊王攘夷の志士を弾圧する幕府への抗議の焼き討ちでもあるという。
篤子は、政治に利用されるのは嫌だし、女ばかりの場所に火を放ったこともおかしいと思った。克顕は、「おはんを救うためじゃ」と言うが素直について行けない。幕府の警備の武士が駆けつけ、克顕は去った。
家定(北村一輝)が倒れた。胃の腫瘍が悪化して回復は見込めない。苦しい息の下で家定は、「私が死んだら、お前は大奥から出て自由に生き直せ」と言う。だが篤子は、無能な将軍と言われながらも、自分の運命を生き抜いた家定に感動していた。
火傷した女中たちの治療ために真之介(岡田義徳)が来た。真之介はまる(池脇千鶴)に、「大奥は物騒だ。俺が嫁に貰えば出られる」と言ったが、まるは受けない。篤子とまるの中で、何かが変わっていた。
将軍・家茂(葛山信吾)と天皇の皇女・和宮(安達祐実)の結婚話が進んだ。諸外国との条約調印問題などで対立が深刻化した朝廷と幕府を融和させる政略結婚だった。最初は渋った和宮も、毎年一回京に里帰りする、大奥でも身の回りは京風にするなど五ケ条の条件をつけて降嫁を受け入れた。
京から中仙道を通って江戸に到着した和宮は、家茂の生母の実成院(野際陽子)と対面する。実成院は、昼から女
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将軍・家茂(葛山信吾)と天皇の皇女・和宮(安達祐実)の結婚話が進んだ。諸外国との条約調印問題などで対立が深刻化した朝廷と幕府を融和させる政略結婚だった。最初は渋った和宮も、毎年一回京に里帰りする、大奥でも身の回りは京風にするなど五ケ条の条件をつけて降嫁を受け入れた。
京から中仙道を通って江戸に到着した和宮は、家茂の生母の実成院(野際陽子)と対面する。実成院は、昼から女中を集めて宴会を開くような大奥の新しい権力者だ。気位が高く、和宮をいじめる算段をあれこれ考えている。大奥に残る決意をし、中臈に昇格したまる(池脇千鶴)が和宮の世話係りとなる。
そんな中でも、家茂と和宮は、仲むつまじく暮らした。実成院はそれが面白くない。
京都から嫁ぐにあたっての約束を実成院(野際陽子)に反故にされた和宮(安達祐実)は、将軍家茂(葛山信吾)に直接話をしようと大奥の廊下を進む。それを、手に簪を持ったおその(水川あさみ)が襲おうとし、まる(池脇千鶴)らが取り押さえる。おそのは許婚がいながら実成院によって家茂の夜伽の相手にさせられ、狂った哀れな女だった。
自由がない大奥の女たちの楽しみは、年に一度、増上寺参り
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京都から嫁ぐにあたっての約束を実成院(野際陽子)に反故にされた和宮(安達祐実)は、将軍家茂(葛山信吾)に直接話をしようと大奥の廊下を進む。それを、手に簪を持ったおその(水川あさみ)が襲おうとし、まる(池脇千鶴)らが取り押さえる。おそのは許婚がいながら実成院によって家茂の夜伽の相手にさせられ、狂った哀れな女だった。
自由がない大奥の女たちの楽しみは、年に一度、増上寺参りの後の芝居見物だ。総取締代理の初島(木村多江)は、美貌の看板役者・生島庄五郎(山口馬木也)に心ときめかせ、やがて男子禁制の大奥に庄五郎を引き込む。京都から連れてきた女中が城内を探り、座敷牢に入れられたおそのを発見。和宮は事件の真相を知る。和宮は家茂が渡って来た夜に、おそののことを問いただす。おそのに許婚がいたことを知らなかった家茂は、里に帰せるよう実成院に話すと言うが、「夜伽は気がすすまぬ」と引き上げた。政略結婚でも心が通った家茂だが、それが離れて行くのを感じる和宮だった。
将軍の生母・実成院(野際陽子)が権力を振るう大奥に、総取締の瀧山(浅野ゆう子)が戻ってきた。瀧山は和宮(安達祐実)に、「お世継ぎが授かるお体かどうかは、天下の一大事」と言って、医師の診察を受け入れさせる。
瀧山の実力を見せつけられた実成院は面白くない。配下の女中たちに、瀧山の身辺を探り追い落としの口実を見つけるように命じた。初島(木村多江)は、城内で生島庄五郎(山口馬
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将軍の生母・実成院(野際陽子)が権力を振るう大奥に、総取締の瀧山(浅野ゆう子)が戻ってきた。瀧山は和宮(安達祐実)に、「お世継ぎが授かるお体かどうかは、天下の一大事」と言って、医師の診察を受け入れさせる。
瀧山の実力を見せつけられた実成院は面白くない。配下の女中たちに、瀧山の身辺を探り追い落としの口実を見つけるように命じた。初島(木村多江)は、城内で生島庄五郎(山口馬木也)との密会を重ねている。理性では止めなければと思うが、庄五郎に抱かれるとわれを忘れてしまう。やがてその情事が露見する日が来る。
和宮が医師の診察を受け、子供の生めない体との診断を受ける。「これで、ほんに籠の鳥になってしもうた」と嘆く和宮である。
開国で西洋の文化が入り、江戸城内でも写真撮影が行われる。和宮(安達祐実)もまる(池脇千鶴)も初めての記念撮影をした。一方で開国に反対する勢力も力を増し、朝廷と攘夷派は将軍家茂(葛山信吾)に京に上ることを要求した。
和宮が子供を生めない体だと知った実成院(野際陽子)は、何人かの側室を決めた。家茂は寝所には行くが、女に手を触れない。和宮への遠慮が理由だと考えた実成院は、家
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開国で西洋の文化が入り、江戸城内でも写真撮影が行われる。和宮(安達祐実)もまる(池脇千鶴)も初めての記念撮影をした。一方で開国に反対する勢力も力を増し、朝廷と攘夷派は将軍家茂(葛山信吾)に京に上ることを要求した。
和宮が子供を生めない体だと知った実成院(野際陽子)は、何人かの側室を決めた。家茂は寝所には行くが、女に手を触れない。和宮への遠慮が理由だと考えた実成院は、家茂に側室を勧めるよう和宮に言った。和宮はそれに従い、「気遣いなく側室のところへ」と言うが、家茂は、「政治のことで手一杯だ」と取り合わない。和宮は、「上様の心の中は政治だけか」と聞く。家茂はそれには答えずに、「私は、仲の良い夫婦というのを見たことがない。男は女を不幸にするものだ。ならば手を触れぬ方が罪が少ない」と言う。初めて聞く家茂の心のうちだった。家茂は和宮の写真を持って京に行った。心労が続く瀧山(浅野ゆう子)は如是寺の僧柳丈(北村一輝)に会いに行く。
大奥に夏が来た。盆になれば宿下がりで実家に帰る女中が増える。そんなある夜、居残った女中たちが座敷に集まっての催しがあり、まる(池脇千鶴)も呼ばれた。暗い座敷で女中たちが一人一つずつ、大奥にまつわる怖い話をし、終ったらろうそくの火を一本吹き消して、暗い廊下を歩いて開かずの間に置いて来る。葛岡(鷲尾真知子)は、「すべてのろうそくが消えた時、何かが起こる」と言った。怪談話が続
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大奥に夏が来た。盆になれば宿下がりで実家に帰る女中が増える。そんなある夜、居残った女中たちが座敷に集まっての催しがあり、まる(池脇千鶴)も呼ばれた。暗い座敷で女中たちが一人一つずつ、大奥にまつわる怖い話をし、終ったらろうそくの火を一本吹き消して、暗い廊下を歩いて開かずの間に置いて来る。葛岡(鷲尾真知子)は、「すべてのろうそくが消えた時、何かが起こる」と言った。怪談話が続き、女中たちの悲鳴とともにろうそくが一本、また一本と消えてゆく。
最後の一本を前に、「開かずの間の亡霊」を語り始めたのは涼波(佐藤友紀)というお針子だった。かなりの時が流れたが、涼波は戻って来ない。まると葛岡たちが探しに行くと、涼波が開かずの間で胸を刺されて死んでいた。女中たちは、「もののけの仕業」と言ったが、まるは、刺したのは人間だと思った。涼波は大奥を下がり嫁入りすることが決まっていた。
倒幕の動きが強まり、その急先鋒である長州藩を征伐するために、将軍・家茂(葛山信吾)が出陣することになる。実成院(野際陽子)は家茂の病弱を理由に猛反対し、将軍の役目だと言う瀧山(浅野ゆう子)と更に対立する。家茂は、自分の命は幕府に捧げると出陣を決意していた。和宮(安達祐実)にはそれが切ない。
和宮が、実成院に代わって家茂の側室選びをするという奇妙な行動をする。「上さんの
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倒幕の動きが強まり、その急先鋒である長州藩を征伐するために、将軍・家茂(葛山信吾)が出陣することになる。実成院(野際陽子)は家茂の病弱を理由に猛反対し、将軍の役目だと言う瀧山(浅野ゆう子)と更に対立する。家茂は、自分の命は幕府に捧げると出陣を決意していた。和宮(安達祐実)にはそれが切ない。
和宮が、実成院に代わって家茂の側室選びをするという奇妙な行動をする。「上さんの死を覚悟したら、上さんに良く似た子供がいればと思うようになりましたのや。自分が産めないのなら、誰かの力を借りてでも」と言う和宮に家茂は、「そなただけが、私の妻だ。この世でも、後の世でも」と優しく言った。
出征するまで、家茂と和宮は毎夜を一緒に過ごした。徳川の長い歴史の中でも、これほど仲睦まじい将軍夫婦はいなかった。
僧の柳丈(北村一輝)が大奥に瀧山を訪ねてきた。先代の将軍・家定と瓜二つの若い僧が瀧山を訪ねて来たことを、葛岡(鷲尾真知子)は見逃さず、実成院に報告した。
徳川幕府軍は鳥羽伏見の戦いに敗れ、官軍となった薩長の軍が江戸に入った。大奥の女たちが恐怖に震えるなか、天璋院篤子(菅野美穂)は、まる(池脇千鶴)を連れて薩摩軍の司令部に行き、西郷隆盛側近の桐野利秋(木下ほうか)に会った。篤子は島津の紋所が入った懐剣を出し、「薩摩の人は信頼出来る」と言い、女たちの安全を確約させた。陣営には、今も篤子を想う東郷克顕(原田龍二)がいた。
ま
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徳川幕府軍は鳥羽伏見の戦いに敗れ、官軍となった薩長の軍が江戸に入った。大奥の女たちが恐怖に震えるなか、天璋院篤子(菅野美穂)は、まる(池脇千鶴)を連れて薩摩軍の司令部に行き、西郷隆盛側近の桐野利秋(木下ほうか)に会った。篤子は島津の紋所が入った懐剣を出し、「薩摩の人は信頼出来る」と言い、女たちの安全を確約させた。陣営には、今も篤子を想う東郷克顕(原田龍二)がいた。
まるは、真之介(岡田義徳)が重症を負って鳥羽伏見の医者の家にいることを知り、篤子の許しを得て江戸を去る。大奥に終わりの日が来た。瀧山(浅野ゆう子)は自害しようとするが、篤子は、「女の牢獄はなくなった。赤子に戻って生きよ」と止める。
官軍が入城し克顕は篤子に、「薩摩に戻り、故郷の山河を見て過ごされよ」と言うが、篤子は、「これからは、自分の力で生きようと思う」と言った。新しい時代が来ていた。
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