ザ・ノンフィクション
上京物語2024~シェフと父さんのケーキ~ 後編 (2024x14)
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生まれ育った故郷か、それとも東京か…菓子職人の世界に飛び込んだ若者が人生の岐路に立っていた…
東京・千歳烏山にあるフランス菓子店「ラ・ヴィエイユ・フランス」。本場フランスで11年修業を積んだオーナーシェフに憧れ、多くの若者が門をたたく。行列の絶えない人気店ではシェフの下での厳しい修業が待ち受けていた。
2023年春、山形から上京してきた新人の金野来(こんの・らい)さん(20)は、シェフの下で働き始めて半年。父親が営む実家の洋菓子店で、2年の経験を積み、基本的な仕事はできると思っていたが、レベルの違いを痛感。今は失敗してはシェフに怒られてばかりだ。洋菓子店にとっては一年で最も忙しい12月、クリスマスを前に「少しでも、店の戦力になりたい…」と自主練習に励んでいた。
そんな新人を指導するのは、キャリア8年目の草野さん(30)。店には欠かせないシェフの右腕的な存在だが、30歳を迎え、長崎に戻り、実家の洋菓子店を継ぐことを意識し始めていた。ところが、4年間の交際の末、結婚を申し込んだ女性に「長崎には行けない」と告げられてしまう…
故郷へ帰り、父の店を継ぐのか?それとも東京で生きていくのか?東京を訪れた父親に草野さんが告げた決断とは…
洋菓子店を営む家に生まれ、有名シェフの下で修業を重ねる2人の若者と息子の幸せを願う故郷の父親。それぞれの揺れる心を見つめた…
【語り】伊原六花