ザ・ノンフィクション
居場所をさがして 〜僕と家族とシェアハウス〜 (2024x8)
:
居場所のない若者たちがたどり着き、肩を寄せ合って暮らすシェアハウスがある。
都内で4カ所のシェアハウスを運営する荒井佑介さん(34)は、10代の頃から周囲と折り合いが悪く、家族の中にも居場所を見つけられずにいた。そんな自身の経験から、若者たちの居場所をつくり、自立支援を行うシェアハウスの運営を始めたのだ。荒井さんの元に集まってくるのは、家出、家庭内暴力、ひきこもり…など、心に傷を負った若者ばかりだ。
居場所がない実家を飛び出して上京、所持金もなく、公園で野宿をしていたタクヤさん(仮名・23)は、シェアハウスに入居してからも、なかなか自立に向けて動き出せずにいた。親との関係がうまくいかず、心に傷を追った彼は、ある日、シェアハウスから姿を消してしまう。タクヤさんは、誰にも言えない、ある事情を抱えていた…
感情的に怒ることが多かった親の影響で、人と関わることが「怖い」と感じるようになったと語るユウタさん(仮名・25)。大学時代に、就職活動の面接におじけづき、実家にひきこもるようになってしまった。「このままでは前に進めない…」社会とのつながりを取り戻すため、実家を飛び出したユウタさん。入居後、少しずつ他の住人とも会話ができるようになった彼は、再び就職活動をスタートさせるのだが…
シェアハウスの暮らしで、心の傷を癒やし、人生をやり直そうと懸命に生きる若者たちを見つめた…
【語り】八木莉可子