ザ・ノンフィクション
僕を産んでくれたお母さん ~言葉を失ったママと家族の4年~ 前編 (2024x6)
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13回目の結婚記念日を祝う夫婦と3人の男の子。こうして家族5人が揃って、この日を迎えられるは、まさに“奇跡”のようなことだった…
今から約4年前、救急医療を特集するテレビ番組の取材カメラの前に、一人の妊婦が搬送されてきた。出産予定日までは、あと2カ月。金山あさ奈さんは、職場で意識を失い、病院へと運び込まれた。原因は脳出血。すぐにでも手術をする必要があるが、その時、おなかには、3人目となる男の子を宿していた。病院に駆けつけた夫の文哉さんは、無事を祈る一方で、「愛する妻を失うのか、まだ見ぬ我が子を失うのか、もしかしたら二人とも…」そんな不安と闘っていたという。
医師たちは、2つの命を救うための緊急手術に挑む。帝王切開で赤ちゃんを取り出すと同時に、あさ奈さんの開頭手術…懸命な処置により手術は無事成功。1794gの男の子は早産児のため、新生児集中治療室に運ばれ、あさ奈さんは一命を取り留めた。
しかし、脳に負ったダメージは大きく、あさ奈さんには、右半身のまひに加え、会話や読み書きが思うようにできなくなる障害が…以前のようには動かない体、生まれたばかりの我が子に会えない日々…我が家には母と弟の帰りを待つ2人の息子たち。救急搬送から2週間、言葉も発することができない体で、ようやく我が子と対面できる瞬間が訪れた…
ある日、突然の病に倒れ、運命に翻弄される3児の母と家族の4年を見つめた。
【語り】上戸彩