ザ・ノンフィクション
生きる歌~三角公園の歌姫とわたし~ 後編 (2023x27)
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大阪・西成にある通称・三角公園。この場所で響いていた歌姫の歌声が、ある日を境に聞こえなくなった…
2022年の冬。異色のジャズシンガー・坂田佳子(51)は、深い葛藤を抱えていた。「西成の歌姫」とSNSで話題となり、歌声を聴きにくる人々が詰めかける一方で、酒にのまれ暴れる坂田の姿や激しい発言を動画に収めようとする人たちとのトラブルが続いていた。歌い手としてではなく、「見せ物」になってしまっている現実…
かつては、ライブハウスに引っ張りだこだった彼女だが、その自由奔放な言動や、アルコール依存症による問題行動で、数々の店を出入り禁止に。その末にたどり着いたのが、自分を受け入れてくれた三角公園だった。それなのに…ついに坂田は、三角公園でのライブをやめる決断をする。
そんな坂田佳子の歌に「救われた」と涙ながらに語る人々がいる。いつか失明する難病を抱えながらも一人で居酒屋を経営する女性。末期がんを宣告され、一時は自ら命を絶つことも考えたという女性…
そんな人々の思いに応えようとガード下の店先でライブを再開する坂田。人々の思いに応えるためにも、以前の自分を取り戻そうともがくのだが、その重圧からなのか再び、酒をあおり、まともに歌えなくなる日も…周囲が心配する中、かつて、坂田が出演していた大阪の老舗バーで歌うことを許される。波瀾万丈の魂のシンガーは再び、あのステージへ帰ることができるのか…