ザ・ノンフィクション
花子と先生の18年 ~人生を変えた犬~ 後編 (2020x16)
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出会いは18年前…東京・杉並でハナ動物病院の院長を務める獣医師の太田快作さん(40)と愛犬の花子。
太田さんは、野良猫や捨て犬など飼い主のいない動物の治療を積極的に行っている。「獣医師が動物保護の先頭に立つべき」と考え、一般診療の他に、野良猫、捨て犬など飼い主のいない動物や福島で被災した犬と猫などの治療も引き受けている。
そんな太田さんにとってかけがえのない存在が花子(18)だ。人間なら100歳近い高齢で、一緒に病院に出勤し、診療中も花子を見守っている。花子は病院のアイドル犬でもあり、看護師や患者から愛されている。太田さんは獣医学部の学生の時、花子を青森の保健所から引き取った。それがきっかけとなり、人間の犠牲になる動物の命について、深く考えるようになった。獣医師になった今も「いつも花子だったら」と思い、動物たちを治療している。
そんな花子が突然倒れた。内臓に腫瘍が見つかり、余命いくばくもない。特別な治療や手術はせず、花子との時間を大切にしようと決める太田さん。花子といつも通り、病院に出勤する。末期ガンの犬や喉に腫瘍を持つ猫の手術をしながら、花子を見守る。看護師たちもそんな太田さんと花子に寄り添い、最期の時間を慈しむように過ごす。1匹の犬の看取りを通して、命との向きあい方を問いかける。