ザ・ノンフィクション
余命3年の社長と刑務所を出た男 前編~塀の外の夢と現実~ (2020x11)
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罪を犯し、刑期を終えた「元受刑者」を日本でもっとも受け入れているという会社がある…北海道・札幌市にある「北洋建設」。約50年前から元受刑者を積極的に採用しており、その数は延べ500人を超える。(現在も約10人の元受刑者が勤務している)
この北洋建設を率いるのが、社長の小澤輝真(45歳)。きょうも小澤の元には全国の刑務所・少年院から、就職を希望する受刑者からの手紙が届く。
実は、小澤は、進行性の難病「脊髄小脳変性症」を発症し、医師からは「余命3年」と告げられている。人の手を借りなければ歩くこともままならず、言葉も不明瞭な小澤だが、全国の刑務所・少年院に自ら出向き、採用活動を続けている。「再犯者を減らしたい…」そのためには、出所後の仕事と住居が不可欠だという…
そんな北洋建設に、この冬もまた新たな元受刑者が入社した。コンビニ強盗を繰り返し2度の服役を終えた男性は、北洋建設で働きながら、税理士になる夢を持ち、勉強を始めるのだが…
今度こそは「更生したい」「社会に認められたい」と願う元受刑者たちに容赦なく襲いかかる現実の厳しさ…塀の外の夢と現実を見つめた。