ザ・ノンフィクション
父を殺した母へ あれからの日々~無理心中から17年目の旅~ (2019x44)
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2018年6月に放送したザ・ノンフィクション「父を殺した母へ~無理心中から17年目の旅~」が、北米最大級のメディアコンクール「ニューヨーク・フェスティバル2019」のドキュメンタリー・人物伝記部門で銅賞を受賞。今回の『ザ・ノンフィクション』では受賞作品を再編集した上で、主人公の青年のその後の姿を追った「特別編」をお送りする。
前田勝さん(当時34歳)に出会ったのは2017年の夏。舞台役者の前田さんは自身の母親を主人公にした公演を行っていると言うが…カメラの前で、勝さんが語り始めた「家族」の話は、あまりにも壮絶だった。韓国で生まれてすぐに両親は離婚。母は日本に出稼ぎへ行き、親戚の家を“たらい回し”にされた幼少時代。7歳からは、台湾の実父の元で育ち、13歳の時に、日本人と再婚した母に呼び寄せられる形で、名古屋で暮らした勝さん。
事件が起きたのは2002年、18歳の春だった…。継父との夫婦仲に思い悩んだ母は、継父を撲殺した後、自ら身を投げた。母親による無理心中事件…。勝さんは被害者と加害者の息子となり、“家族”も身寄りもいない日本で独りぼっちになったのだ。母に対して、恨みと憎しみを持ったまま生きてきた勝さん。母はなぜあんな事件を起こしたのか?母はなぜ自分を棄てたのか?母が遺した携帯電話や手紙を頼りに、母の人生を辿る「旅」に出た…