新日本風土記

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多摩川 (2014x25)


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東京と神奈川の境を流れる、全長138kmの多摩川。源流は深山渓谷に発し、中流域はベッドタウン、河口は羽田や工業地帯と、多様な表情をもつ。16もの鉄道が多摩川をまたいで都心と郊外を結び、毎日大勢の人が渡っては目にする、都会で暮らす人にとって身近な川。 その河原に広がる河川敷は、ちょっと不思議な異空間。喧騒を逃れて訪れる人、身近な自然を楽しむ人、思いっきり楽器を奏でる人。様々な人が自分ならではの時間を過ごせる貴重な場所。そして、歴史の中で変わらないものが残り、同時に激しい変化の波にさらされている場所でもある。東京の町の発展を支え、行楽地として賑わった時代。祈りを捧げ、畏れの対象となった時代。行き場のない人が、居場所を求めた時代。今も多摩川の河原には、様々な時代が混在する。 人が集い、人が憂い、人が行き交い、人が憩う。都会の片隅にぽっかりとできた隙間のような、多摩川の河原を見つめる物語。 <オムニバス項目(抜粋)> ●河原は夢空間・・・   日焼けに虫捕り、バンド練習。あるいは心を癒すため。都会の川ならではの風変わりな日常。 ●河原の人生・・・   ボートを貸して50年。東京の発展とともに多摩川を見てきた男の歴史を見つめる。 ●最初と最後の水辺・・・   源流は山梨県の笠取山。河口は羽田。川の始まりと終わりにも、人が集まる意外な水辺が。 ●青梅の雪女・・・   小泉八雲の小説「雪女」、発祥は意外にも多摩川。異界との接点でもある川の一面。 ●河原の町・・・   川崎の河川敷に、戦後間もない頃から出来た町がある。なぜ河原に生きた

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