新日本風土記

新日本風土記

城崎温泉 (2014x12)


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兵庫県北部、志賀直哉の小説『城之崎にて』で知られる城崎温泉。その歴史は聖武天皇の時代に遡るといわれている。柳並木の下を客が浴衣姿で湯巡りする昔ながらの風情が残り、松葉ガニなど海の幸も魅力の温泉場だ。しかし、日本海沿いの山と川に挟まれた土地は猫の額ほど狭く、15分もあれば歩いてしまう距離。そこに80軒ほどの小さな温泉旅館が肩を寄せ合う。 そんな城崎に伝わる格言がある。 「町は一つの旅館。駅はその玄関、道路は廊下で、旅館は客室、商店は売店。城崎に住む者は、みな同じ旅館の従業員だと思いなさい。」 「町を一つの旅館」と考え、そこに湧くお湯を1300年にわたって大切に守り、支え合って生きる城崎温泉の人々。その冬から春にかけての小さな温泉場ならではの暮らしを描く。 <オムニバス項目(抜粋)> ●信仰と温泉・・・城崎の見守ってきた温泉寺。町の人はお湯に感謝し寺に祈りを捧げる。 ●街はひとつの宿・・・外湯を巡り、射的場を楽しみ腹ごなしはラーメン。共存共栄の基本。 ●街のお母ちゃん・・・親子孫の3代にわたり客の話を聞いてきた80歳のスナックのママ。 ●北但大震災・・・街が壊滅した震災。今に残る共存共栄の精神と、街の風景の基盤となった。 ●城崎人になる・・・外から婿養子にきた若旦那。街に支えられることを覚え、城崎人になる。 ●城崎の顔の交代・・・老舗旅館に34年勤め、愛されてきた名物看板女将。最後の1か月。

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