新日本風土記

新日本風土記

佐渡 (2013x2)


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今回の舞台は、日本海最大の離島・佐渡。いつのころからか、押し寄せる波が時代を吸い寄せ、閉じ込めて、今も暮らしの隅々に"失われた日本"をとどめる。 芭蕉も詠んだ荒波の先。千年の昔より、佐渡は"鬼も住むこの世の果て"と恐れられた。順徳天皇、日蓮、世阿弥ら時代に翻弄され流された都人たち。悲しみとともに携えてきた都文化は、佐渡の厳しい気候風土と相まって独自の形に進化し、今も暮らしに息づいている。人なつっこい"ムジナ(たぬき)"や多種多様な"地蔵"への厚い信仰。豊作を祈願する村総出の"薪能"。そして、島の各地に伝わる"鬼太鼓"。かつて恐れた"鬼"は"ヒーロー"となり、若者たちの姿を借りながら集落の平安のため命がけで太鼓を打ち鳴らす。 佐渡が流刑の地から"憧れの島"となったのは、江戸時代。突如現れた"黄金"が全国から人々を引き寄せた。急激な人口増加により切り開かれた山野の千枚田。築きあげた先祖に思いをはせながら、今も人々が昔と変わらぬコメ作りを続ける。 番組では、日本を凝縮した豊かな自然、荒波が恵むブリ漁なども紹介。トキも羽ばたく、懐かしくも不思議な島、人々をひきつけてやまない佐渡の姿を描く。

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