新日本風土記
国東半島 (2014x30)
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険しい岩山に数多くの寺社が点在する大分県・国東半島。この麓に分け入ると、美しい田園風景の小さな集落と出会える。「田染小崎(たしぶおさき)」この村をはじめとして千以上のため池と日本最大級のクヌギ林を連携させた半島独自の農の営みが残るこの一帯は、昨年“循環型農業の手本”として『世界農業遺産』に登録された。
この地は、8世紀、日本でいちはやく「神」と「仏」とを一つと考える「神仏習合」の場でもあった。そのよりどころとなったのが<宇佐神宮>。全国に四万社以上ある八幡宮の総社である。
宇佐神宮は、国東の各地に田畑を切り開いて荘園とし、“鎮守”の寺社を開き、大きな影響力を与えた。荘園に定住した人々は、厳しい自然と調和し、その恵みをありがたくいただくようになる。
田染小崎もこうした村の一つ。
番組では、人々のたゆみない努力と工夫によって育まれてきた国東の農の暮らしを柱に、その暮らしのよりどころとなる、国東半島独自の信仰の姿をみつめていく。
<オムニバス項目(抜粋)>
●里山の米作り
水の番人“水引”さんが司る、循環型農業の見本”の田植えから収穫まで。
●命育む水の旅路
クヌギ林に降った雨が田を潤し、生き物の命をつなぐ。
●みんなで迎えるお盆
初盆の家の庭で行われる住民総出の賑やかな供養踊り。朝4時まで続く。
●摩訶不思議!な祭の世界へようこそ
山間の集落各地に残る、謎の奇祭の数々。