新日本風土記

新日本風土記

南アルプス (2014x28)


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3000メートル級の高峰が120キロにわたって連なる南アルプス。 巨大な山脈のふもとで、人々は自然の猛威にあらがいながら暮らしてきた。年間3000ミリの雨、土石流、虫や動物の災い…こうした過酷な環境下で、人々は現世での救済を求め、信仰を受け継ぎ紡いできた。また、険しい山々が連なる南アルプスは多くの山岳修行者を迎えてきた土地であり、今も年間3万人が苦行を行う聖地でもある。 その中心となる七面山には、参拝者を150年以上迎える講中宿が残る。荒ぶる自然と向き合って、この世を生きる。 南アルプスが開山する夏ーー自然を畏れ、今日一日を全力で生きる人々のひと夏の物語。 <オムニバス項目(抜粋)> ●標高2800mの雷親父   南アルプスで45年続く山小屋の主は"雷親父"。登山者の安全を思うあまり、天空に響くお説教。 ●山の災いを封じる「蟲封じの札」   人口6人の集落を襲う獣害や大雨。山の災いを「蟲(むし)」と畏れ、寺の「蟲封じの札」で封じ込める。 ●背伸びする岩壁   いまも年間4mm隆起を続ける南アルプス。あいつぐ崩落で表情を変える岩壁に魅せられる64歳のクライマー。 ●月夜で焼ける大地   河川の氾濫が生んだ石だらけの大地。乾燥しやすく、月のあかりでも焼けると言われる大地を生き抜く農家。 ●4000万年の硯   南アルプスの造山運動が生んだ黒い岩を削る硯職人。700年の伝統と人生を変えた石の肌ざわり。

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