新日本風土記
伊勢志摩の海 (2014x27)
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日本有数のリアス海岸に大小600の島々が浮かぶ、伊勢志摩の海。ここは、たくましい女性たちが活躍する、いわば「女性が主役」の地である。全国のおよそ半数、千人の海女が暮らし、彼女たちが獲る鮑や伊勢エビは、神の食事「神饌(しんせん)」として古くから伊勢神宮に捧げられてきた。
豊かな恵みをもたらす海は、一方で危険と隣り合わせ。この地に生きる海女や漁師は、いまも篤い信仰心と強い結束を保ち続けている。鳥羽市おうさつ相差では、海の事故で海女や漁師が亡くなると、海岸沿いに地蔵を建てて弔う風習が残されている。また、島ごとの独特な風習も受け継がれ、伊勢湾最大の離島・答志島では、15歳になった男子は血縁関係のない家と義理の親子関係を結び、寝泊まりをしながら共同生活を送る。
潮騒の響く伊勢志摩の海を舞台に、伝統を受け継ぐ人びとを描く。
<オムニバス項目(抜粋)>
●海は女が“主役”...
キャリア40年、伊勢エビを狙うスーパー海女。元イルカトレーナー、海女になり初めての夏。
●神様、仏様、“セーマン様”...
伊勢神宮の神様、仏様、そして陰陽道の魔除け「セーマン」。漁の安全を願う海女の篤い信心。
●3人の女神様...
女神の里帰りを祝う奇祭、女神のご神体を持ち回りする島、島に降り立った吉永小百合さん。
●“寝屋子”の島...
答志島の男子は、15歳になると親が増える。「寝屋子」と呼ばれる不思議な風習。
●寝屋子の島のお盆...
寝屋子たちの久しぶりの再会。集落の人々が一斉におこなう墓参り、「火入れ」。