新日本風土記
生駒山 (2014x26)
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古来、人々の心の原風景に焼きついてきた山がある。大阪府と奈良県の間にそびえる標高642mの生駒山(いこまやま)。東京スカイツリーより8メートルだけ高いこの山は、古来「庶民の霊山」とされ、人々が救いを求めてきた聖なる場所。今も国籍や宗派、世代を超え多くの人々が日々訪れる。現世利益を願う人たち、病からの助けを求める人たち、困難な日常からの救済を祈る人たち…
国と国、聖と俗、過去と現在、そして生と死を繋ぐ<境界の山>は、今も「日常」と「非日常」を行き来する、聖なる山であり続ける。
生駒山に様々な思いを託して生きる、人々の物語。都会近くの魔界への旅。
<オムニバス項目(抜粋)>
●小さな山のあんな顔、こんな顔…
人間の、祈りと欲望。聖俗が入り交じる人間交差点。
●飛行塔…
生駒山の頂きから下界を見つめる飛行塔。みんなの思い出がくるくる、回る。
●暗峠のおもてなし…
大阪から奈良への難所路、旅人を迎える峠の守り人たち。
●生と死の山、生駒山…
古へ人が仰ぎ見た「生」と「死」の世界。
●生駒山の祈り…
代々生駒山に暮らす夫婦。山に生きた先人たちへの手向けの花。
●石切劍箭神社、お百度参り…
生駒山麓の名物女将の「おかげさん」。
●あの国もこの国も、ひとつながり…
遠く祖国を離れ、今、生駒山でつながる母と息子の思い。