新日本風土記

新日本風土記

琵琶湖 (2011x5)


:

日本最大の湖、琵琶湖。近江の人々の暮らしを守ってきた命の水。「この世の美のすべてがある」と讃えられてきたその湖畔には、水と日本人の懐かしい風景が今も守られている。 昔から多くの文人墨客が訪れ、その美しさを称えてきた。石山寺から眺める名月に源氏物語「須磨」の着想を得たという紫式部。晩年をこの地で暮らし、多くの句を詠んだ松尾芭蕉。「行く春を近江の人と惜しみける」。湖畔の美しい情景を浮世絵「近江八景」として繰り返し描いた歌川広重。そこに描き出された野山の自然、暮らし、光と影の移ろいには、水辺に生きる人々への温かい眼差しが感じられる。 今も比良山系の伏流水を暮らしに使う集落では、琵琶湖に注ぐ水を汚さない慎ましい暮らしを保っている。琵琶湖に浮かぶ竹生島(ちくぶしま)は神の領域とされ、神主や僧侶も巡礼者たちも戒めを守る。そして珍しい伝統漁法を守り、店も車もない湖の島に暮らす漁師たち。 人と自然の織りなす美しい琵琶湖の景観、俳句、浮世絵を織り交ぜて描く映像詩。

  • :
  • : 167
  • : 0
  • NHK
  • 21